【解説?】伝書鳩キャリアによるIPデータグラム伝送について

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拠点と拠点をつなぐネットワーク通信。データをIPデータグラム形式でパッケージングし、様々な通信回線に乗せて送受信されます。

さかのぼること1990年、ある独創的な伝送手段が提案されました。それが、伝書鳩キャリアを活用したIPデータグラム伝送方法です。

注意:この記事は、ジョークRFCについてのお話です。

目次

伝書鳩キャリアによるIPデータグラム伝送について

1990年4月1日、とあるRFCが提案されました。

RFC 1149

A Standard for the Transmission of IP Datagrams on Avian Carriers

鳥類キャリアにおける IP データグラム伝送規格

RFC(Request For Comments)とは、インターネットや関連技術の技術仕様に関する、公開記事のことです。

この「伝書鳩キャリア通信仕様」は、実験的なものですが、おもに首都圏ネットワークで役立つとされています。

通信概要

伝書鳩キャリア通信は、キャリアの特性により、高遅延、低スループット、低空という制約があります。

また接続トポロジーは、単一のポイントツーポイントに制限されます。ブロードキャスト通信はできません。

しかしこのキャリアには、大きなメリットがいくつかあります。

相互に干渉を起こすことがありません。他の通信キャリアが1次元(回線)であるのに対し、伝書鳩キャリアは3次元(空)を利用できるためです。(ただし春先には、渡り鳥により干渉を起こす場合があります)

自身に衝突回避システムが組み込まれています。鳩同士は自動的に衝突を避けるように動作します。再送などのロスがなくなり可用性が向上します。

通信時に遮へい物などの制約を受けません。一般的な無線通信では、障害物による伝送効率劣化が発生します。しかしこのキャリアは、障害物を自動的に回避して通信を行います。

フレームフォーマット

IPデータグラムは、小さな巻物に16進数で印刷され、伝書鳩キャリアの脚に巻き付けられます

帯域幅(データサイズ)は、残念ながら、伝書鳩キャリアの脚の長さに制限されてしまいます

ただしMTU(最大データサイズ)は、キャリアの年齢が上がり成長していくと増加する傾向があります。

更なる議論

伝書鳩キャリア通信は、追加として、以下のような仕様が議論されています。

ベストエフォート型通信のため、途中でキャリアロスする(いなくなる)可能性があります。ただし、時間が経てば復帰する場合もあります。

ストーム(嵐)の発生により、データ損失が発生する可能性があります。ただし、キャリアがドロップ(疲れる)まで、通信は継続的に再試行されます。

追加プロパティとして、ワーム(虫)の検出と駆除の機構を組み込むことができます。

ジョークRFCとは

当然ではありますが、上記内容はジョークです。

RFC は、インターネットに関するプロトコル、手順、プログラムなど、幅広いトピックをカバーする技術メモとして発表されます。

しかし時に、ユーモアや風刺を目的としたRFCが作成されることがあります。それがジョーク RFCです。標準 RFC の正式なスタイルをパロディとしており、時折 (通常はエイプリルフールの4月1日に) 公開されます。

ジョークRFCのなかでも有名なのが、上記の “RFC 1149 A Standard for the Transmission of IP Datagrams on Avian Carriers“。ほかにも様々なジョークRFCが発表されています。

まとめ

ジョークRFCは、ジョークとはいえ、本気のパロディです。技術的知見が身についているからこそ、楽しめる内容になっています。

技術習得の合間、箸休めに、様々なジョークRFCを楽しんでみては、いかがでしょうか。

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